今回は、少し前の事になりますが『お伊勢参り』のお話です。
令和の改元の直後に人生2度目の『お伊勢参り』に行ってきました。
一泊二日で伊勢神宮の
本宮
別宮
十三社を効率良く参拝する旅行スケジュールを組んで実際に廻ってきました。
この記事が、これから『お伊勢参り』に行かれる皆様の参考になれば幸いです。
2度目のお伊勢参り
今からちょうど4年前。
令和改元という日本の一大イベントに触発され、
術後3週間という、
担当医から「絶対安静」を申し渡されてた時期にも関わらず、
いてもたってもいられず『お伊勢参り』を敢行(というか強行)しました。
7年ほど前にも一度『お伊勢参り』してるんですが、
その時は1日分残っていた青春18きっぷの消費目的の、
思いつきによる無計画なお参りになってしまいました。
知識もなにもなく、作法も順路もなにも考えないままの、
お伊勢様への敬意すら欠いた後悔だらけ参拝だったため、
今回はその罪滅ぼしも兼ねた雪辱に燃えるものでした。
術後ながら体調も術前よりいいくらい(もちろん主観)だったので、
令和改元の日(2019年5月1日)に”お伊勢参り”を決意し、
前回の轍を踏まないように3〜4日程度じっくり情報収集しました。
当時住んでいたマンションの近所に立派な神明社が在ったので、そこの神職の方にもいろいろ伺いました。
【神明社】 天照大御神を主祭神とする神社で、総本社は皇大神宮(伊勢神宮 内宮)で、 地元の人からはよく「お伊勢さん」や「皇大さん」と呼ばれています。 ゆえに、宮司さんや神職さんは「お伊勢参り」に詳しい方が多いようです。 多忙な時期、時間帯でなければ神職さんは気さくにいろいろ教えてくださいます。 「伊勢信仰」の普及とともに全国に分祠社が建てられ、現在五千社を超えるそうです。 お伊勢参りに行く前に、ご近所の「お伊勢さん」に立ち寄ってみるのはどうでしょう。
予算的にも体力的にも一泊二日で、ということを伝えると、
「それならば正宮と別宮に絞られては」
というアドバイスをいただきました。
お伊勢参りで最低限押さえておきたい神社
伊勢神宮には内宮、外宮併せて125社もの管轄社があります。
その125社が他市、他郡に跨って点在しています。
すべてを廻られる、所謂ガチ勢な方もいらっしゃいますが、
一般の参拝者にはかなりハードルが高い。
なので、正宮二社と、正宮の次に尊いとされる別宮十三社を参拝しておき、
時間と旅費ができたらまた次の機会に他社を廻る、
というようにされるのが良いのでは、と先述の神職さんにアドバイスしていただきました。
ということで、その頂いたアドバイスを基に組んだ参拝ルートが以下です。
【参考ルート】
1日目
- 御塩殿神社
- 二見興玉神社
- 堅田神社(皇大神宮摂社)
- 豊受大神宮(外宮)
※境内にある別宮(外宮に限っては上から順に参拝するのが良いと云われています)
多賀宮
土宮
風宮 - 月夜見宮(豊受大神宮別宮)
- 皇大神宮(内宮)
※境内にある別宮
荒祭宮
風日祈宮 - 猿田彦神社+佐瑠女神社
- 月讀宮(皇大神宮別宮)
※境内にある別宮
月讀荒御魂宮
伊佐奈岐宮
伊佐奈弥宮 - 倭姫宮(皇大神宮別宮)
- 瀧原宮(皇大神宮別宮)
※境内にある別宮
瀧原竝宮
2日目
- 伊雑宮(皇大神宮別宮)
- 天の岩戸(恵利原の水穴)+猿田彦の森
- 磯神社
最初の御塩殿神社は神宮の祭祀の時に使うお塩を製造している摂社です。
立ち寄る人が少ないので、境内から伊勢湾をのんびり眺められます。
2社目の二見興玉神社は、有名な夫婦岩がある神社です。
昔は江戸から伊勢に向かう場合は渥美半島東端の伊良湖岬からの海路が主流だったので、
この神社が伊勢の玄関口でした。
江戸時代に沸き起こった「お伊勢参りブーム」頃から、
この二見興玉神社で身を清めてから外宮→内宮と参拝するのが習わしになったようです。
【ホツマに見る天照大御神と豊受大神の関係】 一般的に外宮に祀られる豊受大神は女尊とされていますが、 ブログ主が興味を持って読み込んでいるホツマツタヱには男神と記述されています。 因みに、天照大御神も「アマテル」という神名で、男神と記述されています。 さらに豊受大神(ホツマでの神名は「トヨケ」)は、 天照大御神(ホツマではアマテル)の叔父であるとされる上、 師のような存在としても描かれています。 記紀の記述だけだと、 なぜ天照大御神が祀られる内宮より先に、 豊受大神が祀られる外宮からお参りする順路となっているのかがよく解りませんが、 ホツマツタヱの記述を信じてみると、かなり納得いってしまいます。 しかし、ホツマツタヱは一般的に『偽書』として扱われているので、 あくまでも、「そういう可能性もある」というお話に留めておきます。
7社目、内宮の次の猿田彦神社と佐瑠女神社は同じ境内社で、外宮から内宮へ向かう道中に在ります。
バスだと途中下車が手間で、電車だと駅から距離がありますが、自転車なら余裕で立ち寄れます。
というわけでレンタサイクルの情報も次章に記します。
初日に固めたのは、2日目の午後に名古屋観光したかったからという個人的理由です。
もしお伊勢参りに集中して瀧原宮参拝を2日目の午後に回せば一泊二日でもわりと余裕のある、
正宮と別宮を網羅する充実した”お伊勢参り”になるはずです。
レンタサイクルを利用する
ちなみにブログ主は宿泊に利用させてもらった『ウィークリーマンション伊勢』さんで借りた自転車で伊勢市内に在る神社を廻りました(術後すぐだというのに無茶したものです・・)。
宿泊者は無料で借りられますが、台数に限りがあるようなので、宿泊予約時に確認してください。
上記ルートはアップダウンが多い道のりなので、
自転車に乗り慣れてない人にはけっこうキツいかもしれません。
が、バスや徒歩より時間が自由に使えるし、
ちょうどいい感じの運動にもなります。
とは言え、全行程10km弱に及ぶので、無理せず電車・バスを組み合わせるのもアリだと思います。
伊勢市観光協会 などでもレンタサイクルの貸し出しを行っていて、電動アシスト自転車も1日2,000円で借りられます。
貸し出し台数には限りがあるようなので事前にWEB予約した方が良さそうです。
駅からかなり離れていますが 伊勢河崎商人館でもレンタサイクルが貸し出しされています。
ブログ主も最初のお伊勢参りの時に利用させてもらいました。
普通のママチャリで電動ナシですが、なんと1日300円と格安で借りられます。
こちらは特に台数は少ないようので、事前確認必須ですね。
伊勢市内のルートすべて廻ると10km強の行程になります。
病み上がり(上がってなかったけど)の自分でもなんとか廻れたし、
いろんな景色ものんびり見られたし、
多分、バス使うより早く廻れるので、
『自転車お伊勢参り』
かなりオススメですよ。
公共交通機関ので回りたい場合
公共交通機関のみで回りたい場合の旅スケも組んでみたので参考までに。
※2022年1月10日付の土日祝用ダイヤで東京発の想定で組みました。
サンプルスケジュール
1日目
- 6:00 東京発 ー 7:34 名古屋 東海道新幹線のぞみ1号
- 7:43 近鉄名古屋 ー 9:12 伊勢市 JR関西本線 快速みえ51号 伊勢市行
(桑名から)近鉄名古屋線特急 宇治山田行 - 9:36 伊勢市 ー 9:44 二見浦 JR参宮線 鳥羽行
二見浦駅 ー 御塩殿神社 徒歩15分程度
御塩殿神社 ー 二見興玉神社 徒歩20分程度
二見興玉神社 ー 堅田神社 徒歩10分程度
堅田神社 ー 二見浦駅 徒歩5分程度 - 11:46 二見浦 ー 11:54 伊勢市 JR参宮線 快速みえ10号 名古屋行
伊勢市駅 ー 豊受大神宮(外宮) 徒歩5分程度
豊受大神宮(外宮)ー 月夜見宮 徒歩5分程度 - 14:09 伊勢市駅 ー 14:22 内宮前 三重交通バス 55外宮内宮線 内宮前行
内宮前 ー 皇大神宮(内宮) 徒歩10分程度
皇大神宮(内宮) ー 猿田彦神社 徒歩25分程度
猿田彦神社 ー 月讀宮 徒歩15分程度
月讀宮 ー 五十鈴川駅前 徒歩10分程度 - 16:16 五十鈴川駅前 ー 神宮徴古館前 三重交通バス 伊勢二見鳥羽周遊線 宇治山田駅前行
神宮徴古館前 ー 倭姫宮 徒歩5分程度 - 17:27 神宮徴古館前 ー 17:35伊勢市駅前 三重交通バス 70伊勢宿浦線 伊勢市駅前行
2日目
- 6:29 伊勢市 ー 6::45 上之郷 近鉄山田・鳥羽・志摩線 賢島行
上之郷駅 ー 伊雑宮 徒歩3分程度
伊雑宮 ー 川辺(バス) 徒歩10分程度 - 7:49 川辺 ー 7:57 天の岩戸口 三重交通バス 70伊勢宿浦線 伊勢市駅前行
天の岩戸口 ー 恵利原の水穴 徒歩25分程度(往復50分) - 11:10 天の岩戸口 ー 11:35 伊勢市駅前 三重交通バス 70伊勢宿浦線 伊勢市駅前行
- 12:12 伊勢市 ー 12:16 小俣 近鉄山田・鳥羽・志摩線 伊勢中川行
小俣駅 ー 磯神社 徒歩25分程度(往復50分) - 14:17 小俣 ー 14:40 松坂 近鉄山田・鳥羽・志摩線 伊勢中川行
- 15:08 松坂 ー 15:17 多気 JR紀勢本線 鳥羽行
- 15:23 多気 ー 16:02 滝原 JR紀勢本線 新宮行
滝原駅 ー 瀧原宮 徒歩20分程度(往復40分) - 18:39 滝原 ー 18:45 三瀬谷 JR紀勢本線 多気行
- 19:09 三瀬谷 ー 20:49 名古屋 JR紀勢本線 特急ワイドビュー南紀8号 名古屋行
- 20:59 名古屋 ー 22:36 東京 JR東海道新幹線 のぞみ56号 東京行
恵利原の水穴と磯神社を諦めればかなり余裕ができます。
名古屋とか他の場所の時間を取りたい場合は、伊雑宮から一気に瀧原宮を目指せば2日目の午前中に『お伊勢参り』を終えることができます。
- 8:25 上之郷 ー 9:06 伊勢市 近鉄山田・鳥羽・志摩線 伊勢中川行
- 9:20 伊勢市 ー 9:34 多気 JR参宮線 快速みえ6号 名古屋行
- 9:43 多気 ー 10:24 滝原 JR紀勢本線 新宮行
そして午後は名古屋で、のプランも魅力的ですね。
熱田神宮にも寄れますし。
悩ましいですね。
伊勢鳥羽みちくさきっぷ
三重交通のバスが乗り放題になる切符があります。
料金は2022年1月10日現在で、
1日(1DAY) … 大人1,200円 小児600円
2日(2DAYS) … 大人1,800円 小児900円
です。
詳細は三重交通株式会社さんのこちらのサイトを御覧ください
サンプルスケジュールのルートをバスだけで廻る場合は、
この切符で十分元が取れますし、2日目の午後も使えば余裕で廻れるくらいの便数も
あるようです。
まとめ
ということで、参考になりましたでしょうか。
『神宮』という単称で呼ぶことが許されているのは、『伊勢神宮』だけだそうです。
そんな「神社の中の神社」だけあって、訪れた瞬間から心が清められるような、
得も言えぬ感覚に襲われます。
おそらく、我々のご先祖様たちが守り、紡いできたものが凝縮されている、
そのような空間であるからなのではないか、と個人的にですが想います。
あまりスピリチュアルめいた話は書かないようにするつもりですが、
当時、病気で沈んでいた心身が、この「お伊勢参り」以降から改善されていきました。
あの伊勢の風景が、自分の中の何かに共鳴し、
「生きよう」という気持ちを取り戻せたのだ、と今でも思っています。
神宮では私事を願うべからず、という不文律があります。
なので、私自身も私事は願わず、
「日本をお守りください」
とだけ願ってきたのですが、
神様も少しだけ私事にご褒美をくださったのかもしれませんね。
皆様も一度あの空間に身を置いて見ることを、強くお勧めします。
自分が何者であるか、を見つけられるかもしれませんよ?
時間を見つけて各神社の詳細とか(4年越しの)現地ルポとか書こうと思いますので、
また読んでいただければ幸いです。